‡第1章:小さな島の子ライオン‡

            ‡第1章:小さな島の子ライオン‡
~カルバリア諸島は 大西洋といってもカリブ海にほど近い珊瑚礁が土台となった温帯の島々だ。
 一番大きく農業が盛んな”ジエン島” 一番小さく、国民が少ないが
 人情と職人達が多い”エラーオチ島”
 そしてこの二つに半ば挟まれ、守られるように位置し、
 漁業で活気があふれるのが ジレスト帝国の本部がおかれる”カキンチュウ”島である。
 今回はその中の小さな島 ”エラーオチ島” のお話しである・・・~ 

 普段から静かなこの島は、鉱山が多く、ジレストが開発した武具などを鍛える
 鉱石がよく確保でき、生活はもっぱら本島の”カキンチュウ島””ジエン島”
 への鉱石の売り上げである。
 別名、”鉱夫と職人の島” と呼ばれていた・・
 そんなこの島で後に”革命集団”の一員となる子ライオンがいた・・・
「鎖~!いい加減起きなさい~朝ごはんとっくにできてるわよ~!」
静かなこの街に平和な呼び声が響く。 「う・・う~ん・・・・」
子ライオンとはいえ、 もう大人顔負けの唸り声で 子ライオンは目覚める。
 「今・・起きるから~・・」寝ぼけた様子で机の上を手で探るその子ライオンは
この小さな島の 鉱夫の父”プリ”と酒場の看板娘だった母”ブ子”との間に生まれた。
星色の白い鬣(タテ髪)がトレードマークの この子ライオンの名前は・・・
 
「・・カチューシャー・・カチューシャー<あ・・あった>」子ライオンは
右手でピンクのカチューシャを探り当てた。左手で「サッ」っとそのキレイに染まった白銀の鬣を
掻き分け、カチューシャを滑り込ませた。
 「よし!・・ん?」子ライオンは鼻先を{ピクッピクッ}っと動かした。
<目玉焼きに・・どんぐりグミだな・・さて・・> 
1階へとつづく木造の階段をスルスルと降りていった。
「おはよう”さびちゃった鎖”♪ ・・って あんたまたそんな 女の子 みたいな格好して!」
母はもう呆れ果てた様子だ。
「いいじゃん! ってそれよりその名前嫌いなんだから呼ばないでよ・・せめて”さび”か”鎖”って呼んで >< !」
ふてくされた様に 食卓の椅子へ腰掛けた。 
母は さびの前におかれたお皿へ フライパンから目玉焼きを取り分けつつも
悲しそうに言った
「その名前はね・・父さんの・・。父さんの形見の名前なのよ・・」
目玉焼きを さびのお皿へ取り分けた 母の手が止まった・・。
「お願い!今日だけはその名前で呼ばして!」
 さびは{ハッ}として壁にかかった カレンダー へ目をうつした。
 <・・9月・・・6日・・父さんの命日じゃないか!>
 「ご・・ごめんよ母さん! あ!・・そうだ・・この名前ってどういう由来なの!?」
 さびは 父さんの 話しをする時の 母が一番楽しそうにするのを よく知っていた。
 母は 少し落ち着いた様子で 話し始めた・・
「私が まだ酒場の看板娘として 働いていた頃ね・・」
「ホントに沢山の 人が私にプロポーズにきたわ♪」 もうすでに母は自慢厨と化していった・・
「はいはい・・自慢乙・・」 さびはボソリと言ったが、 母は聞こえないとばかりに話しを続けた。
 「みんな私に会いに お洒落な格好をして・・花束を片手に{わっせわっせ}とやって来たわ。
 貴族の”Gエスター”さんでしょ、格闘家の”愛のフェロモンド”さん・・ でも父さんは違った・・」
 さびも この話は初めて聞くので 少し興味がわいてきた。
 それを見透かした とばかりに母は続けた
 「でもね・・父さんったらお土産はいつも 鉱山でのお話w 服装なんか ボロボロの作業着に
 いつも肩からは 仕事で使う ”さびちゃった鎖” をかけてたわ・・」
 「でもね・・私はそんなあの人が好きだったわ・・そしてあの事があって 貴方には・・
その名前しかないって思ったの! 父さん・・さびが生まれてくるのを待っていられなかったから・・」
 <そうだ・・父さんは さびが生まれる前に 鉱山での仕事中 落盤に巻き込まれて・・>
「でも・・それ以来 さびには苦労かけたわね・・こんな小さい体で鉱山の仕事なんて・・」
「いいんだよ母さん♪・・おっとそろそろ鉱山へ行かなくちゃ!」
母は息子のさびを本当に大事に、
そして頼もしく思っていた。 
「落石に気をつけなくちゃダメよ!ちゃんと”安心ヘルム”も被るのよ!」
「わかってるって♪じゃあ行って来るね!」心配性の母を なだめるように優しく言った。
肩に愛用の軍用銃、”㍉㍉ガン”をかけ、玄関にあるブーツに 足を通す。
「もう随分オンボロねぇ」
目玉焼きを頬張りながら さびの”㍉㍉ガン”をじっと見つめる。 
あははw じゃあ行って来るね~!{バタン!}」扉を勢いよく閉め、さびは島の内陸部にある鉱山へ駆け出した。
「はぁ・・やっぱり可愛い息子にはいい物を持たせなくちゃね・・」 お皿を片付けながら ブ子は呟いた。
足の速いさびは林を駆け抜け、あっという間に仕事場である 鉱山に辿りついた。
 ココ”ゴールドジュエリアル鉱山”は主に”ガーネット”(ざくろの実のような赤濃色から、別名:ざくろ石と呼ばれる)) が採掘できる鉱山だ。
もう鉱山入り口では さび達 昼勤の者達が鉱山へ 出入りし始める 時間なのだが・・ 
何やら鉱山入り口では 夜勤 の者達が集まり 何やら騒がしい様子だった・・・。
さびは すぐにその雑踏の方へ走り出した。嗅覚の優れたさびは すぐに異臭を感じとった 
< ウッ!・・・血の臭い・・・・。> 
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  by vacation2010 | 2006-08-18 01:14 | プリ

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